やっぱり吉右衛門さん!2008/05/24 01:03

五月大歌舞伎
先週土曜日、新橋演舞場に行ってきました。2年前から5月の新橋演舞場は吉右衛門さんの座長公演です。

一つ目は染五郎さんが主役の「毛谷村」です。これは大好きなもののひとつで、仇と思った相手が許嫁と分かったときのお園の愛らしさと言ったらありません。武芸に秀でたお園が、むちゃくちゃしおらしくなるのはいいけど、照れが高じて、重い臼を持ち上げてしまう場面は、いつも笑ってしまいます。

このお園役は亀次郎さんですが、最初の登場では虚無僧、つまり男のふりをしているわけで、声も男っぽくするわけです。でも、男っぽい声というより、まさに男の声でした…。まぁ、男の人が女の役で、さらに男のふりをしているわけですから、難しいですよね。あぁ~、ややこし。

それからいつものスリーピングタイム…ではなくて、踊りの演目が三種ありました。でも、今回は眠くならなかったです。福助さんの「藤娘」は、ちょっと色っぽすぎたよーな…。染五郎さんと亀次郎さんの「三社祭り」は、亀次郎さんに軍配を上げます。「勢獅子」は、歌昇さんに拍手!

さて最後は、待ってました!吉右衛門さんの「一本刀土俵入」です。

駆け出しの相撲取りの時の素朴なかわいらしさ。相撲を断念して、侠客になって戻ってきた時のかっこ良さ!!!

言ってしまえば、お涙頂戴の人情ものです。でも、胸にせまるような感動で、ウルウルしてしまいます。

よっ、二代目!

事情により、夜の部は今回スキップします。見たい気持ちは山々だけど、やっぱり見れない…。

近来まれに見る大盛況2008/04/26 23:11

四月大歌舞伎
今日は歌舞伎座の四月大歌舞伎、千秋楽に行ってきました。一緒に行った姉は、歌舞伎初体験です。

9時半に家を出て、10時半過ぎに歌舞伎座に着き、筋書を買って、お昼の予約をし、姉がイヤホンガイドを借りて、おやつに杏とクリームチーズ入りの和菓子を買い込み、いざ席へ。

最初は「本朝廿四孝」の「十種香」、まさに身をやつした御曹司とお姫様が出るザッツ歌舞伎って感じのものです。橋之介さんが武田勝頼役で、姉の予想通りの歌舞伎だったみたいです。

その後、地下食堂「花道」でビーフシチュー膳(おいしかった…!)を食べ、さぁ、玉三郎さんと仁左衛門さんが出るぞぉと張り切って席につきました。

「熊野」と書いて、“ゆや”と読みます。往年の孝玉コンビなんで、何せ美男美女!姉はすっごい感動してました。私はちょっと途中寝てしまいましたが…。

さて、姉が土産に歌舞伎グッズを見て回りたいというので、歌舞伎座内の店を回ろうとしたのですが…。何年も歌舞伎を観てきて、今日ほど一杯の客で混んでたことはありません。まず歩けない、店に近づけない、人の熱気で暑いし、トイレは驚くべき長蛇の列!トイレに行こうとすると、その休憩時間はつぶれてしまう有様でした。

何とかぎりぎり席に戻って昼の部最後は、「刺青奇偶(いれずみちょうはん」。玉三郎さん、むちゃくちゃかわいかった…。どっからどうみても、女性ですねぇ。仁左衛門さんの鮫の政五郎、むちゃくちゃかっこ良かった…。今日はこの仁左衛門さんを見ただけでも満足です。

終わって、外に出て、新しく出来たらしいカフェでおいしいコーヒーとケーキを食べ、夜の部へ!

「将軍江戸を去る」…すみません、橋之介さんの長台詞にびっくりしながらも、ほとんど夢の中…。

2階のほうおうで歌舞伎膳に舌鼓を打ち、目を覚ましてから、さぁ!「勧進帳」!!!

今まで吉右衛門さん、団十郎さん、幸四郎さんの弁慶を見たことがあります。今回の仁左衛門さんも、とっても素敵でしたが、型としても見栄えも、かわいらしさも、やっぱり吉右衛門さんが最高かな…。あの時は、席も良かったからなぁ。

やっぱり休憩時間は人が多くて大変でした。

「浮かれ心中」は、もうホントに、まったくのコメディです。徹頭徹尾、洒落で通し、最後の勘三郎さんのちゅう乗りは、席が悪くてほとんど見えませんでしたが、けっさくでした!三津五郎さん、乗りまくりやったし、姉は最初からずっと笑いっぱなし。

ちゅう乗りしてる勘三郎さん、今日は「近来まれに見る大盛況」だと言ってました。また、時蔵さんの誕生日だったようです。両方とも芝居の中で、笑いを取るせりふとして言ってましたね。

一日中だったので確かに疲れましたが、姉は、はまりそうと言ってます。思ったよりせりふが分かるし、全てが絵のようにきれいだし、衣装は派手だし、その上、何と言っても見栄をきる、いわゆる古典歌舞伎ではなく、現代劇のような芝居もあることにびっくりしていたようです。

でも何と言っても、玉三郎さんの現実離れした美しさに魅入られてしまったようです。これは写真ではわかりません。舞台を見て初めて分かりますからねぇ。

陽春大歌舞伎2008/04/12 18:57

陽春大歌舞伎 筋書
行ってきました、名古屋御園座!

名古屋へミュージカル(後述します)を見に行くことになり、たまたま御園座で吉右衛門さんが出ると言うので…。時間の都合で夜の部、それも吉右衛門さんが出る「松浦の太鼓」と「閻魔と政頼」だけしか見れませんでしたが、大満足!

席が花道すっぽん近くの外側であんまり良くなくて、「松浦の太鼓」では、花道で座り込む歌六さん演じる其角と芝雀さん演じるお縫に邪魔されて、吉右衛門さん演じる松浦の殿様が、太鼓の音を指折り数える名シーンがよく見えなかった…。

でも四十七士の討ち入りに助太刀に行くと馬(かわいい!)に乗って出てきたのも、その後の雪が頭に落ちてくるシーンもじっくり見れたので、いいんだいっ!

吉右衛門さんの松浦の殿様は、本当に純粋でかわいくて、とても好きです。裏では人が死んでいく話なのにねぇ。

「閻魔と政頼」も好きです。吉右衛門さんが松貫四として作ったもので、閻魔様の方が人間よりずっと正直で人がいいというお話です。

途中青鬼が、”いいのか悪いのか人間に聞いたところ「びみょー」と言った…”っていうようなせりふがありますが、名古屋では、「ええ加減だぎゃあ」になってました。種太郎君、うまいっ!

ところで、公演の後半でないと舞台写真を買うことができません。歌舞伎座で「大川の隠居」や前述の二演目を見たときも早めに行ったので舞台写真を入手できませんでしたが、今回御園座でゲットできました。うれぴ!